ノエル通信 Vol.24|睡眠時無呼吸症候群について

2025.12.03

診療内容 ― 睡眠時無呼吸症候群について

睡眠は体だけでなく脳を休ませるという重要な役目があります。深い睡眠中には体の維持に必要なホルモンが分泌され、副交感神経が働いて自己免疫力を高めます。そのため、ストレスや不規則な生活により睡眠の質が低下すると健康に悪影響を及ぼし、免疫が低下して感染症や癌の発症リスクが増加するといわれています。睡眠障害の原因の一つに「睡眠時無呼吸症候群」があります。

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome=SAS)とは、就寝中に何度も息が止まってしまう病気です。息が止まると換気が低下し血液中の酸素濃度が減少します。これは体にとって危険な状態であり、息をするために脳が覚醒し呼吸を再開させます。本人が自覚していなくても無意識のうちに何度も目覚めているため、朝すっきりしない・疲れが取れない・頭痛・イライラ・口の渇きなどの症状や、日中の過度の眠気による居眠り運転・作業能率の低下など、社会生活にも悪影響を及ぼします。また、本来睡眠中は休んでいるはずの交感神経が活性化し、血圧や血糖が上がりやすくなり、生活習慣病の悪化につながります。特に降圧剤の効きが悪い場合や夜間早朝の血圧が高い場合はSASの合併が疑われます。体の酸素不足により心臓や血管に負担がかかり、心筋梗塞・脳卒中などの頻度も増えるといわれています。

SASの病因は、呼吸のための気道を保つ筋肉が睡眠中にゆるみ、上気道が閉塞することです。肥満により首回りに付いた脂肪が原因の一つですが、扁桃など上気道軟部組織の増大、鼻中隔彎曲などによる鼻閉、舌が大きいことなども原因となり、小顔のやせている女性でも顎が小さいためにSASとなる方がいます。高齢の方でも起こります。特徴的な症状は大きないびきと無呼吸で、家人にいびきや無呼吸を指摘されたり、昼間の眠気が強いなどSASが疑われる場合は検査をお勧めします。まず自宅で睡眠中の酸素飽和度、鼻・口の気流やいびきの有無を調べ、中等症以下でも入院してさらに詳しい検査を行うことで正しく診断できる場合があります(夜に入院し検査を受け、翌朝出勤できます)。

治療はまず生活習慣の見直しです。就寝・起床スケジュールを整え、肥満のある方は適正体重を目指し、寝る前の飲酒を控え、禁煙を心がけます。横向きに寝ると舌がのどの奥に落ちるのを防げます。中等症以下の場合はマウスピースを使用することもあります。最も有用な治療法は持続陽圧呼吸療法(CPAP)で、加圧した空気を鼻マスクから送り、のどを開いて呼吸が止まるのを防ぎます。安全確実で、生命予後をも改善します。いびきが気になる方、SASについてご質問がある方はお問い合わせください。

(参考文献:「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」 等)

スタッフを紹介します

看護師の初瀬です。令和5年12月から勤務しています。男の子2人のママで、下の子はまだ幼稚園なので、皆さんに助けられながら楽しく仕事をさせていただいています。なかなかまとまった“ひとり時間”が取れず最新情報のチェックはできていませんが、相撲やお笑いが好きです。少しでも患者さまのお役に立てるよう日々精進します。


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