ノエル通信 Vol.20|尿について 第2弾(過活動膀胱)

2021.04.15

診療内容 ― 「尿について」第2弾(過活動膀胱)

Vol.4で「尿路感染症」についてご説明しましたが、今回は過活動膀胱(かかつどうぼうこう)についてです。膀胱の機能には排尿のみではなく、尿を溜める「蓄尿」機能があり、過活動膀胱は蓄尿の不具合が主な原因と考えられています。蓄尿機能が落ち膀胱に尿を溜めることができないため、尿意切迫感(突然起こる、我慢できないような強い尿意)、頻尿や尿漏れなどの症状が起こります。

生活に及ぼす影響が大きい疾患 我が国の40歳以上のおよそ7人に1人にみられるといわれ、特に60歳代からの発症率が高く、年齢とともに上昇します。家事や仕事のほか、家族関係や自尊心など心の問題、睡眠・活力・社会的役割にも影響します。特に夜間就寝中の頻尿は睡眠を中断させます。生活への影響が大きい疾患ですが、医療機関への受診率は症状のある人の22.7%にとどまるといわれています。

尿意切迫感が起きる仕組み 尿路機能は中枢神経系(脳や脊髄)と末梢神経系の複雑なネットワークで制御されています。膀胱が知覚過敏となり、膀胱からの神経伝達の病的亢進と、脳が情報を処理できないことが重要な病態と考えられています。尿意切迫感は、正常な膀胱が充満した感覚とは異なる病的な尿意といえます。

過活動膀胱を呈する疾患 脳血管障害・脳腫瘍・脊髄損傷などの神経因性過活動膀胱、腰部脊柱管狭窄症や糖尿病性末梢神経障害でも起こることがあります。骨盤内の腫瘍や尿路の結石・炎症、膀胱周囲の臓器の異常でも同様の症状が出ることがあるため検査が必要です。メタボや生活習慣の乱れ、加齢性変化でもみられ、多尿・心因性頻尿・薬剤の副作用が原因のこともあります。原因を特定できない特発性過活動膀胱もあります。

治療について まず生活習慣の改善です。肥満の改善、運動、飲水やカフェイン・アルコール摂取を減らすと効果がみられることがあります。尿をなるべく我慢する「膀胱訓練」(2〜4時間毎の一定時間での排尿など)は効果があり、約75%の方が改善したという報告があります。「骨盤底筋訓練」(尿道・肛門を締めたりゆるめたりを繰り返す)を併用すると尿が我慢しやすくなり、効果は60〜80%といわれます。生活習慣改善で効果が乏しいときは薬物療法(抗コリン薬やβ3作動薬、高齢者では漢方が使われることも)も行います。男性の場合は前立腺の関係もあるため、一度泌尿器科の受診をお勧めします。

参考文献:過活動膀胱診療ガイドライン第2版

(院長 橋爪 喜代子)

スタッフを紹介します

2019年の秋より勤務している、看護師の中川です。月に4〜5回、夕診で働いています。30年以上、総合病院や大学病院でしか働いたことのない私にとっては新鮮な環境で、初心に戻り楽しく働いています。院長先生や患者様、スタッフの方々にいつも感謝しています。人と話すのが好きなので、いつでも気軽に話しかけてください。今後ともよろしくお願いします。


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