2019.03.19
診療内容 ― 脂質異常症 第二弾
脂質異常症についてはVol.8,9で一度ご説明しましたが、2017年に動脈硬化性疾患予防ガイドラインが改訂となり、2018年に脂質異常症診療ガイドが新しくなりました。それらに基づき新しい情報をお伝えします。
脂質異常症は動脈硬化の原因となり、将来の動脈硬化性疾患、特に冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)の発症・死亡が予測されます。動脈硬化は糖尿病や慢性腎臓病もリスクとなり、喫煙や血圧などの因子も影響するため、それらを包括的に評価し、どの程度冠動脈疾患になりやすいかを予測するアプリ(日本動脈硬化学会の患者様向けアプリ「これりすくん」)があります。動脈硬化度の検査の一つに「頚動脈エコー」があり、首の動脈の壁の厚さ(内中膜厚IMT)やプラークの有無により全身の動脈硬化の程度が評価できます。CTやMRI、MRAでも脳や心臓の動脈硬化の程度が把握できます。
まずは生活習慣の改善 脂質異常症の予防・治療は生活習慣の改善から始めます。メタボの場合は体重を減らします。よくご質問を受けるのが「玉子」についてです。2015年版日本人の食事摂取基準ではコレステロール摂取の上限がなくなりました。これは吸収や肝臓での合成量に個人差があるためですが、高LDLコレステロール血症の患者様では、コレステロール摂取量を制限するとLDLコレステロール低下効果が期待できます。総カロリーを減らし、魚・野菜・大豆製品を増やす「伝統的な日本食」が動脈硬化予防にお勧めです。白ご飯より未精製穀類の方がより良いとされますが、和食は塩分が多いことが課題で、塩分は1日6g以下を心掛けましょう。禁煙・運動が有効であることは変わりありません。
薬物療法と家族性高コレステロール血症 生活習慣改善で効果が不十分な場合、特にリスクの高い群では早期から薬物療法を併用すべきとされます。LDLコレステロール低下にはスタチンが推奨されており、血中コレステロールの低下だけでなくプラークの安定化にも効果があるといわれます。副作用として筋肉痛・しびれ・肝機能障害などがあり、飲み合わせによっては頻度が増えることがあります。200〜500人に一人は遺伝性の家族性高コレステロール血症(FH)といわれ、若くして冠動脈疾患を起こした家族歴などFHが疑われれば薬物療法が必要です。FHではPCSK9阻害薬(注射薬)やMTP阻害薬という新しい薬も出てきています。健診などで脂質異常症を指摘された方は、生活習慣の改善はもちろん、薬物療法が必要な場合は治療の意義や副作用を理解されたうえで治療を受けられることをお勧めします。
(院長 橋爪 喜代子)
スタッフを紹介します
8月下旬からお世話になっています、看護師の佐藤です。大阪に生まれ兵庫で育ち、今まで阪神間を出たことがない生粋の関西人です。看護師になって20年近くになります。今も好きな仕事を続けられる環境と出会いに感謝の日々です。最近25年ぶりにピアノを習い始め、新鮮な時間を過ごしています。月に数回ですが、患者さんに寄り添える看護を目指して頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。
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