ノエル通信 Vol.16|高尿酸血症について

2017.04.06

診療内容 ― 高尿酸血症について

今回は高尿酸血症についてです。尿酸は痛風の原因ということはご存知の方が多いと思います。紀元前5世紀にヒポクラテスが、強い下肢の痛みで発症する疾患を「痛風」と名付けイヌサフランを治療に使ったそうです。その球根から抽出された「コルヒチン」は現代でも痛風の治療に使われています。尿酸は痛風以外にも腎結石の原因になり、さらに最近では高血圧・メタボリック症候群・糖尿病などの生活習慣病とも関連があり、尿酸が高いと脳卒中・心筋梗塞など心血管病や慢性腎臓病へ移行するリスクが増加することが分かってきました。そのため高尿酸血症の治療には、痛風発作を防ぐ以上の目的があると考えられるようになっています。

尿酸はイイ者?ワル者? ヒトでは尿酸はプリン体代謝の最終産物です。尿酸は生体に悪い活性酸素を除去する良い効果(抗酸化作用)があります。しかし、尿酸を生成するキサンチンオキシドレダクターゼ(XOR)という酵素は、尿酸をつくる際にワル者の活性酸素をも産生してしまうことが分かりました。尿酸は血液中では活性酸素を除去しますが、血管壁内に取り込まれると活性酸素を産生し、動脈硬化が起こります。尿酸降下薬(XORを抑える薬)はプラーク形成を抑制するというデータもあり、尿酸を下げるだけでなく活性酸素を減少させて血管保護に働くと考えられています。

さまざまな炎症を起こす尿酸 尿酸は免疫と関係する「インフラマソーム」という物質を活性化して炎症を誘導し、血管障害を起こします。免疫は本来、病原体を排除する仕組みですが、尿酸や過栄養による代謝物に反応すると炎症が持続し、生体の損傷につながります。尿酸は血管だけでなく様々な臓器で炎症を起こすため、尿酸を下げる薬は高血圧や心臓・腎にも保護的に働き、脳卒中・心筋梗塞・腎不全の予防にもなります。

高尿酸血症の治療にはまず生活習慣の改善が大切です。レバーなどプリン体の多い食べ物の過剰摂取を控え、果糖の多いジュースや飲酒も控えてください(果糖は甘味料として様々な食品に含まれるため注意)。運動不足の解消とともに、水分を多く摂ることも重要です。薬物治療を行っている方は、急激な尿酸値の変動を避けるためお薬をきっちり続けてください。尿酸が体質的に低い低尿酸血症の方もおり、極端に低い場合は治療対象となることがあります。皆様に尿酸について知っていただければ幸いです。

(院長 橋爪 喜代子)

スタッフを紹介します

こんにちは。ナースエイドの西田です。H27年3月より週2回、午前診で勤務させていただいています。風邪予防として、うがい・手洗い・マスクに加え、自宅では院内でも使用している抗菌作用のあるティートリーオイルをアロマディフューザーで使っています。みなさんのおすすめ予防法があれば是非教えてください。患者さまへ寄り添う気持ちを大切に、心配りと笑顔を忘れずに頑張ります。これからもよろしくお願いします。


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