2013.07.08
診療内容 ― 検尿と慢性腎臓病(CKD)
この季節は学校や職場で健診を受けられた方が多いと思います。健診には必ずと言っていいほど尿検査があります。今回は「検尿」についてのお話です。
CKD(シーケーディー)とは Chronic Kidney Disease の略で、慢性腎臓病と訳します。CKDはGFR(推算糸球体ろ過量)という腎臓の働きによりステージ分類されてきました。GFR60未満(正常は90以上)は特定健診を受けた方の14.5%と比較的高く、日本のCKD患者さんは1330万人に達する国民病であることが分かりました。その後の検証で、同じGFRでも尿蛋白量により予後が大きく異なることが分かり、2012年の新しい『CKDガイドライン』では、GFRとともに蛋白尿の程度を重症度のステージ分類に加えることになりました。
CKDを放っておくと腎不全になり、透析療法や腎移植を受けなければならなくなる場合があります。それだけでなく、CKDがあると心筋梗塞・心不全・脳卒中などの心血管疾患にもなりやすいことが明らかになっています。同じGFRでも蛋白尿を伴うほうが末期腎不全や心血管死亡の危険が高いことも分かりました。CKDの早期発見のためには何よりも検尿が大切です。
腎臓は糸球体で老廃物をろ過し、尿細管で必要なものを再吸収するため、正常なら尿蛋白はごくわずかです。試験紙法で(+)以上の場合は尿蛋白の定量を行います。試験紙で(+)でも尿比重により実際の量が異なるためです。より正確には24時間の尿を貯める蓄尿検査を行うこともあり、血液検査で腎機能も調べます。CKDは腎障害や尿異常が3か月以上続くものをいい、再検査で陰性であればCKDではありません。激しい運動後や発熱などで一時的に尿蛋白が陽性となることもあります。検尿では血尿や尿糖、白血球尿なども分かります。
CKD発症の危険因子は、高齢、CKD家族歴、過去の尿異常や腎機能異常、脂質異常症、高尿酸血症、高血圧、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどです。危険因子のある方は定期的に検尿を受け、発症前から高血圧・糖尿病のコントロールや生活習慣の改善(エネルギー・食塩の過剰摂取、運動不足、飲酒、喫煙、ストレスの改善)を行い、予防に努めることが重要です。健診で蛋白尿・血尿を指摘された方は、まずはかかりつけ医で再検査を受けてください。
(院長 橋爪 喜代子)
スタッフを紹介します
はじめまして。看護師の門坂です。4月から金曜日の午後診と第2・4土曜日に勤務させていただいています。心配りと笑顔を忘れずに勤務したいと思います。はしづめ内科の一員として患者さまの治療のお手伝いができるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします。
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