ノエル通信 Vol.10|熱中症に気を付けて

2012.08.08

診療内容 ― 熱中症に気を付けて

熱中症とは、高温環境下で体内の水分や塩分のバランスがくずれたり、体内の調整機能が破綻するなどして生じる症状の総称です。命に係わることもあります。最近では気温の上昇や節電のため冷房を控えることなどにより、真夏でなくても熱中症が発症しています。戸外での作業やスポーツだけでなく、散歩中、バス待ち中や室内でも起こることがあり、注意が必要です。

ヒトは36〜37度の狭い範囲で体温を調節している恒温動物です。暑い時は自律神経を介して末梢血管が拡張し、皮膚に多くの血液が分布して熱伝導による体温低下を図り、また汗の蒸発によっても熱が奪われます。しかし水分や塩分が失われる状態に適切に対処できなければ、筋肉のこむら返りや立ちくらみを起こし、熱の産生と放出のバランスが崩れると体温が著しく上昇します。これが熱中症です。

熱中症は重症度により分類されます。I度は立ちくらみ、筋肉のこむら返り、大量の汗などで、すぐに涼しい場所へ避難し体を冷やします(首・腋の下・太腿の付け根を水や氷で冷やす、霧吹きとうちわ・扇風機も有効)。意識がはっきりしていれば冷たいスポーツドリンクや食塩水を補給します。II度は頭痛・吐き気・ぐったりするなどで、自分で水分・塩分を摂れない時はすぐ病院へ搬送します。III度は呼びかけへの反応がおかしい、引きつけるなどで、高体温となり体に触ると熱い状態です。意識がない場合は水分を与えるのは禁物で、すぐに救急隊を要請し、到着を待つ間も体を冷やし続けます。

熱中症は「予防=最大の治療」です。暑さを避け(日陰、すだれ・カーテンで直射日光を防ぐ)、厚着を避け吸汗性の素材を利用し、エアコン・扇風機を調節します。のどが渇く前からこまめに水分を補給しましょう(通常はお茶・お水でよい)。日頃からウォーキングなどで汗をかく習慣をつけると暑さに慣れ(暑熱順化)、熱中症にかかりにくくなります。睡眠不足・風邪・下痢など体調不良時は暑い場所での作業を控えましょう。体温調節機能が低下している高齢者や、発達途上の小児・幼児はリスクが高いため特に注意が必要です。心臓病や高血圧などのお薬で脱水傾向となることもあるため注意しましょう。正しい知識と早めの対策で、この夏も暑さを乗り切りましょう。


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