ノエル通信 Vol.7|糖尿病性腎症について

2010.09.30

診療内容 ― 糖尿病性腎症について

今回のテーマは「糖尿病性腎症」です。糖尿病性腎症とは、糖尿病が原因で腎臓が悪くなった病気です。腎臓は尿を生成して老廃物や余分な水分を体外に排泄し、体内を一定の環境に維持しています。また血圧の調整、造血ホルモンの産生、骨量の維持などの働きもあります。腎機能がおちてくると、体液管理だけでなく血圧・造血・骨量などにさまざまな異常がおこります。末期腎不全に到った場合は腎移植・血液透析・腹膜透析で機能を補いますが、透析になってしまう腎臓病の原因は糖尿病性腎症が第1位です。糖尿病になると、腎臓の働きの低下を早期に発見し、生活習慣の改善・食事療法・薬剤による予防治療をしっかり行うことで、透析患者さんを減らすこともできます。

糖尿病はインスリン(血糖を下げる物質)が出なくなったり効かなくなったりして血糖が高くなる病気です。腎臓には糸球体という毛細血管の塊があり、フィルターとして老廃物をろ過していますが、高血糖が続くと糸球体の構造が破壊され、蛋白質が尿中に漏れ出て腎臓に障害を起こします。糖尿病性腎症は進行具合により第1期から第5期に分類されます。1期は糸球体でのろ過が上昇する時期で、血糖治療により正常に戻ります。2期では微量アルブミン尿が出ますが、この段階できっちり治療すると元に戻るため早期発見が重要です。3期になると腎機能が低下し、普通の検尿テープでも蛋白が陽性となり、4期には尿毒症の症状(むくみ・倦怠感・吐き気など)があらわれ、5期には透析が必要です。生活習慣の改善などにより3期以降でも進行を遅らせることができます。

治療のアドバイス

早期には血糖値のコントロールが重要で、HbA1cの目標を定めて管理します。そのためにはカロリーコントロールや運動が大切です。微量アルブミン尿が出る2期になると血圧のコントロールが重要となり、アンジオテンシンⅡを抑えるお薬(降圧薬の一種で、特に糸球体の中の圧を下げる働きがあります)を用います。血圧の治療目標は130/80mmHg未満を目指します。腎症が進むと食事療法が変わり、蛋白質を制限する必要があります(その分カロリーは充分にとります)。むくみや胸水・腹水など水が溜まりやすい傾向があり、特に3期以降は減塩が必要です。脂質異常症の治療、禁煙、睡眠不足を避けるなどの生活管理も大切です。

スタッフを紹介します

はじめまして。午前診の月曜日と水曜日に勤務している看護師の福島です。患者さまと病気のことやそれ以外のこと、いろいろなお話をするのが仕事の楽しみの一つです。わかりやすく丁寧にお話ができるよう心掛けていきます。これからもよろしくお願いします。

編集後記

最近、少しお待たせすることが多くなってきました。当院は完全予約制ではございませんが、できるだけ待ち時間を少なくと予約時間を決めさせていただいております。ご迷惑をおかけしておりますが、今後もできるだけお待たせしないよう努力いたします。

(松本)


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