ノエル通信 Vol.5,6|高血圧について

2009.09.11

診療内容 ― 高血圧について

今回は高血圧についてのお話です。2009年に日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインが新しくなりました。日本には4,000万人にも上る高血圧の患者さまがいるといわれています。高齢化社会、食塩の多い食習慣、糖尿病や慢性腎臓病の増加、特に男性で欧米並みの内臓肥満に起因するメタボリック症候群の増加により、高血圧だけでなく他の心血管病の危険因子を伴う症例が増え、大きな問題となっています。新ガイドラインでは、血圧値の高さや危険因子の有無により層別化して管理計画を立てること、降圧目標がより厳格になったこと、家庭血圧を含め24時間にわたり血圧を管理する重要性などが示されました。

血圧が高いと、年齢に関わらず心血管病、特に脳卒中の危険が高まります。脳卒中は寝たきりや認知症の原因にもなるため、その危険因子の一つである高血圧の予防・治療は大きな課題です。脳卒中の半数以上は軽症高血圧(160/100mmHg未満)の患者さまでも起こっており、さらに強力な高血圧管理が必要です。

血圧はとても変動しやすく、診察室では“白衣高血圧”が知られているため、最近ではほとんどの高血圧患者さまに家庭血圧を測定していただいています。家庭血圧は上腕で測るタイプの血圧計が良いとされます。朝は起床後1時間以内・排尿後・朝食前に、夕は就寝前に、座って1〜2分安静後に測ります。家庭血圧では135/85mmHg以上が高血圧の基準です。逆に診察室では正常でも家庭や職場で高い“仮面高血圧”もあり、喫煙・アルコール・ストレスの関与が指摘されています。

治療はまず生活習慣の修正が重要です。減塩は1日6g以下を目標にします(汁物はお椀1杯で約2g、麺類のつゆは残す、加工食品や調味料は控えめに、酸味・香辛料・香味野菜を活用)。野菜・果物のカリウムは降圧に有用ですが、腎不全の方は高カリウム血症に注意が必要です。コレステロール摂取を制限し、魚(魚油)は積極的に。肥満のある方は4〜5kgの減量でも血圧が下がるとされます。有酸素運動(1日30分程度を週5日以上)、節酒、禁煙、冬季の防寒、ストレス時のリラックスも大切です。禁煙治療は保険適応ですのでご相談ください。

降圧薬が必要なこともあります。1日1回の服用が望ましく、目標に達しない場合は増量や複数薬の併用を行います。糖尿病・慢性腎臓病・臓器障害が進行している場合はより強力な管理が必要です。高齢の方では副作用やQOLに注意し緩やかに降圧します。また、第4の生活習慣病として睡眠時無呼吸症候群が注目されており、夜間の無呼吸を治療(持続陽圧呼吸療法)すると血圧の改善もみられます。当院でも行っておりますので、昼間の眠気や強いいびきがある場合はお問い合わせください。血圧が気になる方は一度ご相談ください。

(院長 橋爪 喜代子)

スタッフを紹介します

湯谷(看護師):午前診(月〜金、土曜は隔週)に勤務しています。以前は検診や訪問看護などに携わっていました。患者さまのお名前とお顔が一致してきて、笑顔や声を掛けていただけることを嬉しく思っています。趣味はパッチワークです。どうぞよろしくお願いします。

吉村(看護師):午後診をメインに勤務しています。ミニチュアダックス2匹と家族で暮らしています。患者さまに気軽に健康状態を相談してもらえる看護師になれれば嬉しいです。

編集後記

当院では診療時間中、二人で受付を行っています。どんな年代の患者さまにもリラックスしていただければと思っています。患者さまから温かいお言葉を頂戴したり、さまざまなことを教えていただき、日々感謝しています。少しでもお待ちの時間を減らせるよう工夫していきますので、お気づきの点がございましたら何なりとお申し出ください。

(植田)


発行年の情報により作成しています。その後のガイドライン改訂などにより、最新の情報を反映していない場合があります。

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