2008.09.02
診療内容 ― 尿路感染症(膀胱炎・腎盂腎炎)
今回は尿路感染症についてのお話です。腎臓から尿管(腎臓と膀胱を結ぶ管)、膀胱、尿道(膀胱から体外に尿が排出される管)にいたる尿の通り道を尿路といいます。健康な状態では尿に細菌はいませんが、消化管内にある大腸菌などが尿道から入り込むと尿路感染症を起こします。尿路感染症は“下部(膀胱)”か“上部(腎臓)”か、“単純性”か“複雑性”か(もともと尿路系に病気がないかあるか)、また年齢・性別により診療方針が異なります。女性では急性膀胱炎・急性腎盂腎炎が多いのに対し、男性は膀胱炎は少なく、尿道炎・前立腺炎・精巣上体炎など泌尿器科的疾患が多くなります。
急性単純性膀胱炎は若い女性に多く、排尿痛・頻尿などの膀胱刺激症状がみられますが、高熱はなく、膀胱自体の防御効果により自然に治ることもあります。通常は抗生物質の内服で1週間くらいで改善しますが、再発することが多いため、水分を充分にとる、排尿をガマンし過ぎない、お尻を拭く時は前から後ろへ、下腹部を冷やさない、などの注意が必要です。性交が原因となることもあります。膀胱炎に似た症状で感染のない場合、間質性膀胱炎(※1)、過活動膀胱(※2)の疑いもあります。中高年では男女差は少なくなり、脳血管障害による排尿異常や糖尿病など基礎疾患がある場合は難治性となることがあります(複雑性膀胱炎)。
急性単純性腎盂腎炎は、一般に下部尿路から細菌が腎臓の出口である腎盂に侵入することにより起こります。尿路閉塞(結石、腫瘍、男性では前立腺肥大など)により尿の流れが悪い場合、上部に感染が起こりやすくなります(複雑性腎盂腎炎)。小児では生まれつき尿管が逆流しやすい場合があり、小児期に尿路感染症を繰り返す場合は検査が必要です。症状は38℃以上の発熱、背部〜腰部痛があり、菌血症や腎不全を合併することもあります。解熱するまでは抗生物質の点滴を含めた強力な治療を要し、解熱後も経口の抗生物質を2週間は続ける必要があります。膀胱炎はよくある病気のひとつですが、腎盂腎炎にいたると入院が必要なこともあります。トイレの悩みはつらいですが、ガマンしないで一度ご相談ください。
※1 膀胱壁の内部の間質という部位に炎症が見られるもの ※2 膀胱の知覚過敏などにより尿意切迫感が生じるもの
(院長 橋爪 喜代子)
ほほ絵美コーナー ― アウトドアや行楽に使えるアロマテラピー
お出かけが多いこの時期に役立つ精油の使い方をご紹介します。① 乗り物酔いには…レモンまたはペパーミント2〜3滴をティッシュに含ませて香りを数回吸い込む(妊娠中の方、てんかんの方はペパーミントは使用不可)。② 虫除けスプレー(ルームスプレー)には…ラベンダー10滴、ゼラニウム6滴、レモングラス4滴を無水エタノール(小さじ1)に入れよく混ぜ、水50mlを加えて保存容器(できればガラス)に移し、使用前によく振ってスプレーする。
(看護師 下條)
スタッフを紹介します
看護師:3名の看護師が交代で勤務します。皆、笑顔一杯の明るい看護師です。看護師による慢性疾患の生活指導も充実させたいと思っています。
受付:4名のスタッフが交代で勤務します。気づき力をモットーとし、患者さまの立場に立って考えたいと思っています。
管理栄養士:2名の管理栄養士がいます。毎週金曜日の午後に栄養指導(予約制・保険適応)を行っています。
医療ソーシャルワーカー:社会福祉学の対人援助領域で活動中です。心理・社会的援助のソーシャルワーク相談のご希望がありましたら日時を調整します(原則第4月曜の午後・予約制。ご相談は無料です)。
発行年の情報により作成しています。その後のガイドライン改訂などにより、最新の情報を反映していない場合があります。